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また、大事故

http://www1.hosp.yamaguchi-u.ac.jp/news/article-169.html

・・・腹腔鏡下左腎摘除術中に上腸間膜動脈を左腎動脈と誤認して切断し、腹腔動脈を2本目の腎動脈と誤認して切断した・・・

致命的だったのは上腸間膜動脈 腹腔動脈の両方を切断して気が付かなかったこと。

考えられないといいながら、実際にこれが起きたことを直視するべきだろう。

ネットでは 医師の中にも、さすがに傷害致死すなわち刑事相当であろうという意見を述べる者もいるが、まずは鏡視下手術であるから画像が残っているのだから画像を見てみるべきではないだろうか。狭い視野の中でどんなふうにみえていたか・・・ところが、現行の制度では画像は公開されづらいとおもわれる。

お金で済まない・・・といいながらも、ご遺族にはできるだけの慰謝料を支払い補償をするのは当然だ。さらに、術中の画像、術前のデータをすべて公開して再発防止を期することこそが、この悲惨な死にせめて報いる方向かと思う。

 ところが、事故調シンポで各演者が指摘してきたように、刑事云々では、これらのデータは証拠品として警察が押収して外に出さなくなる。ただただ犯人を有罪にするために動くにすぎず、一人の責任にするために、ほかのさまざまな要因を表にださなくなるなどして、再発防止の役に立たない。
 ヒューマンエラーの再発防止というのは、すべての要因を改善することからなされるのに、その要因がわからなくなる。医師が牢屋に入って胸がすっきりするというご遺族には報いることができるかもしれないが、刑事では遺族に一銭もはいらないし、二度とこのような事が起きないでほしいという崇高な念に対しては報いることはできない。例えば シンドラー社エレベーター事故の原因究明はこのような刑事事件としての足かせによりすすまず、御遺族はつらい思いをしていると聞く。

現行制度では無理だが、刑事については

「すべてのデータを公開すれば刑事は免責します。もしも隠蔽あれば刑事責任問います」

という利用方法が一番、再発防止になるように思う。 この方法はいにしえよりこんな言葉で表現されてきた。

「あらいざらいしゃべれば、警察沙汰だけは勘弁してやらぁ・・・」

またこれによりご遺族への補償はしっかりなされることになると思う。

今の医療事故調案では提出したデータが刑事に利用される可能性がある。それではかえって真相究明と再発防止にはならず、ただただ厳しい手術や治療を回避する方向になってので、助かるかも知れない例も助からなくなっていかないかと心配する。

この事故で再び医療事故調論議が活発化するのではないか。
残念ながら、このような事が起きて、やっとしばらくの間、各医師は我が事として考え始めるのだ。

この事故に対する世論の動向次第では 医療事故調論議が誤った方向にいってしまうような気かして心配だ。

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