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一般人の目には見えない医療崩壊

まあ、医療事故調についての論議が打ち切られて 法制化されるようなのだが・・・・

結局のところ 萎縮医療がこれで改善するのか つまり現場がこれみてどう考えるか・・・が問題なのだろう。

ハイリスク系の医師達の数の減少・・・たしかにこれは目に見える。でも目に見えない萎縮もあるのではないだろうか。

最近 やたらに学会で「患者の希望で手術しませんでした」とか「患者の希望で化学療法はやりませんでした」という話が増えてきたように思う。

 これは、一見 患者の権利尊重にみえるが、実際は医師の説明次第な部分もあると思う。 厳しい手術や化学療法をやらないことで、厳しい労働や事故のリスクから解放されるのは実は医師の方なのだ。もちろん悪意があってそれを選ばせない医師はいないだろう。でも、心のどこかで萎縮があれば説明も変わってくる。

しかし・・・しかしだ、 頑張って厳しい手術をしたところで、それが外科医の自己満足に過ぎない・・・という話もある。 だから積極的医療が必ずしもよいことではないともいえる。

このあたりで自分がなにいってんだか わからなくなってくるのだが・・・

とにかく、虚心坦懐にデータを示して患者さんには説明したい。萎縮も無謀もいけない。
しかるに、この医療事故調案で 萎縮の気持ちはなくなるだろうか・・・

答えはNoだろう。どんなに論議しても、現場がNoならNoなのだ。そしてその萎縮は一般人の目には見えないだろう。

残念なことだ。

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コメント

 伊関先生の本でこのブログを知りました。

 上記記事、医療崩壊と萎縮医療について述べていらっしゃいますが、この二つがどのようにつながるのか自分でも考えてみました。

 なぜ、萎縮医療なのか。

 僕が考えるに患者不信、患者家族不信ではないでしょうか。

 患者・患者家族が病院や医師を信じない時代に続き、逆に医師や看護師を初めとした医療従事者が患者・患者家族を信じていない、いろんな意味で警戒している、そんな時代になっているような気がします。
 
よかれと思って、寝たきりに近いような高齢者の腹膜炎の手術をしても、合併症(特に呼吸器合併症など)で死亡すればそれが医療事故として扱われたりすれば(それはあくまで合併症だと思います)、次からは一歩引いた治療、一歩引いた説明になるのはある意味当然のことかと思います。 

投稿: 高屋 剛 | 2013年6月20日 (木) 17時14分

高屋 剛  様
コメントありがとうございます。

あわせて医療界の相互不信ということですね。

インフォームド・コンセント ということも、あたかもそれが患者が権利として求めるもののように言われてますが、実は医療側の権利でもあるわけです。

医療界の相互不信をあおって、得をするのは誰か・・・よく考える必要はあると思います。もしもそれを過度にあおって糧にして記事を売る報道関係者 法曹界の方がいれば、社会の害悪として批判されるべきものでありましょう

一方、たしかにとんでもない医師も存在して、医療不信が先行したわけです。医師のとんでもなさとそのポイントは医師でないとわからないところがあります。死んでしまってから、あるいは後遺症を残してからでは遅いわけですから、普段から医師同士のチェック機能があるべきと考えます(実は これも盲目的に批判されてきた大学医局システムはこういった機能ももっていました)。

相互不信の根本の是正方法も提案していきたいです。

投稿: | 2013年6月21日 (金) 07時43分

医師同士のチェック機能を医局が有していた、という意見は初めて聞きましたが、なるほどと思います。

異なる医療機関に勤務していても同じ医局の中では指導を受けたりします。自分自身もその経験があります。
同じ医局内であるということでその情報の秘匿性が担保されているからということもあるのだと思います。

小松秀樹氏はその著作「医療の限界」で
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メディアに煽られ、司法に裏打ちされて、医療への理不尽な攻撃が頻発しています。このため、医療現場はとげとげしいものになりました。勤務医や看護師の激務は昔からあったことです。私は医療崩壊の原因は患者との軋轢だと思います。使命感を抱く医師や看護師が現場を離れつつある。
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「医療界の相互不信」と上記「患者との軋轢」とは同じことを表現していると思います。

投稿: 高屋 剛 | 2013年6月29日 (土) 22時32分

高屋 剛 様 

>同じ医局内であるということでその情報の秘匿性が
>担保されているからということもあるのだと
>思います。

なるほど!! ご指摘ありがとうございます!!

投稿: ベース医者 | 2013年6月30日 (日) 20時32分

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