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平均台

平均台 
        
川がある。
平均台のような橋がある。
人を背負ってその平均台を渡る仕事がある。

大変だが、やりがいのある仕事だといわれている。
報酬も他の仕事に比べて高いらしい。

その仕事に就くためには定められた場所で勉強して試験に通らなければならない。訓 練もつんで一人立ちする。

勉強もしたし、訓練もつんだ。人をせおって平均台を渡る自信はある。さあ、仕事を はじめよう!!

ときどき平均台から落っこちる人がいる。不注意な奴らだ。
世間から批判されて当然。

でもどんどん運ばなければならない人は増えてくる。
いろいろな場所があって、平均台の幅が狭い地方もある。それにいつでもいいのに時
間かまわずやってくる人もいる。

平均台から落ちるのがけしからんということで、世間は川の中に剣山を置くことにし たらしい。
背負う人の重さは なんだか時代を経るに従って増してくるようだ。

川の中には血だらけの仲間がいる。落ちたくて落ちたわけではない。僕もなんだか目 が霞んできた。

今日はいきなり 仲間が以前おちたことが怪しからんといって どこかにつれていか れた。鞭打ちの刑にさらに処すべきか調べるそうだ(土手を歩いていて人を川に突き
落とした人と同じ罪なのだそうだ)。 仲間がつれていかれて、また仕事がふえた。

平均台の幅が狭いところから 仲間が逃げ出したらしい。ある程度の体重以上の人は 背負わないという人も増えてきた。
でも、だれかが、そこで仕事しなければならない。誰かが 重い人を背負わなければ ならない。

世間は、落ちないようにするにはさらに剣山の高さを高くしろといっている。

どうして・・・どうして、平均台の幅を広げるという話にならないのだろう。
どうして手摺をつけるという話にならないのだろう。
どうして人数を増やすという話にならないのだろう・・・。

薪がなくなったといって、平均台を削る話ばっかりだ。

それでも・・・・
今日も平均台を渡っていく自分がいる

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コメント

はじめまして。
N大学病院で研修医として働いております。

学生の頃は夢に溢れていました。
努力すれば手に入れられるものは沢山あると信じていました。
僻地で産婦人科医として働きたかったのです。

平均台を渡って行く自分、想像するだけで足がすくみます。
逃げてしまえば楽なのに。。。
毎日ため息が出ます。
まだ何も知らないのに、弱音を吐く私は本当にちっぽけです。


投稿: あっち | 2007年2月27日 (火) 19時30分

あっちさん こんにちは
世の中は平均台を削ったり 背負う人の重みをふやしたりしているのに、落ちる責任を平均台職人の資質にもっていってしまいました。

皆 やらなくなりますよね。

でも、僕達の悲劇は、「この人は平均台の向こうにいかなければならない」
とわかってしまうことなのです。それは捨て置けない。

手摺がついたり、平均台が幅2m位になるような対策、すすめてほしいですね。

投稿: ベース医者 | 2007年2月28日 (水) 12時32分

こんばんは。

外科医とは、平均台職人であり、または船乗り、板子一枚下は地獄、みたいな感じなのかもしれません。
一寸先には何が待っているか判らない、極めてリスクの高い仕事だと思います。

医療崩壊が叫ばれて久しいですが、こういう状態に陥れたのは、国や医師会の責任が大きいのかもしれませんし、または、ピント外れかもしれませんが、医師が偉い時代から、患者が偉い、患者が医療の主役の時代に移行したのも大きな問題かもしれません。平均台から落ちる責任を平均台職人の資質にして、あとは思考停止ですからね。明らかなる資質不足は別ですが・・・

とにかく、今のままでは、医師も患者も共に、不幸であるのには変わりないのでしょう。

何か打開策はあるのでしょうか・・・

投稿: 脂肪の塊 | 2008年9月 3日 (水) 23時31分

脂肪の塊 様
コメントありがとうございます。

対策についてですが、詩の中の 平均台を削る話というのは 医療費抑制策を指しているつもりです。
まず医療費の抑制策を止めにしていただく。

で医療費増大させても、別に医者の給料ふやしたってあまり状況は改善しないわけです。

その使い道について言及したのが、別記事にある

「夢物語」

なんです。

http://bassisha.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_8ca1.html

上記の中で引用してあるURLは読めなくなってしまっていますが、医療費が実は先進国中最低であることを書かれた毎日新聞の記事を指します。
この記事は去年の2月に書かれたものですが、後半部分の医療秘書については、今年度の診療改定で雇用したら点数が加算される仕組みが実現されたので驚きましたが、まだまだ足りません。
しかし、秘書さんがやってきてからは、割合 医業本来の仕事にうちこめている感があり、実際 今年のゴールデンウィークで救急受取不能による死者がでなかったのは、この政策が大きいのではないかとおもっています。
 前半部分は、詩の中の剣山にあたる部分です。
故意でない過失というのは、人間はどんなに注意していたつもりでも発生し、医業ではしばしば生命にかかわります。そこをただただ刑事罰による懲役のような形で訴追していたら、だれもやる人がいなくなる現状があります。
 そこで、故意でない過失による部分を民事に一本化してはどうかということです。

 で、過失がない場合でも、一応見舞金のようなものを出して、医師が過失があったことにしないとお金がでない仕掛けをあらためる・・・これは大野病院事件の発端となった事故調査委員会のミスリードをさしているのですが・・・

なんにせよ、これらは福田首相がぶちあげていた、道路財源の一般財源化と それを財源にした医師不足関連予算3300億円があれば実現可能でした。
昨今の政局と 上記の話が反故にされるかどうか、大変気になるところです。


 医療事故に話を戻しますが、ただ、一番注意してほしいのは、そういうことが起きないようにすることこそが大事だということです。亡くなってしまってからどれだけお金が動いても、空しいだけです。

 そこに着目して、医師同士のチェック機能を重視した仕掛けの提言が

「五人組」

です。

http://bassisha.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/5_43ae.html

一応 パブリックコメントも書きました。
御笑覧ください。

投稿: ベース医者 | 2008年9月 4日 (木) 19時47分

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